久保りか物語

1963年12月22日、りかちゃんは練馬区貫井で生まれました。
彼女が1歳の時にご両親が離婚してしまったため、父方の祖父母に育てられたのだと言います。
生まれて間もなくそんな出来事があって大変だったろうと思いますが、りかちゃんに聞いてみると「祖父母は実の子どものように愛情を込めて育ててくれたし、(父の妹の)叔母は実の妹のように可愛がってくれたので(両親の離婚という)そう言った中では、私は非常に恵まれた環境だったと思う」と語ってくれました。

幼稚園時代は、可愛くて正義感が強いりかちゃんはクラスの人気者でした。
一見おとなしそうに見えますがなかなか活発な女の子でどちらかと言えば「おてんば娘」でした。
しかし、端唄の師匠でもあるお婆様のもと端唄のお稽古もする意外な(?)一面もあり、小学校4年生の時にお婆様と一緒に「伊勢音頭」を唄ったのが初舞台だと聞いています。

中学時代、クラブ活動にも真剣に取り組んでいたりかちゃんです。
課外クラブではバレーボール部だったのですが2年生の時、足に怪我をしてしまい一月以上も練習ができずとても悔しそうにしていたのを覚えています。
必修クラブは演劇部でした。思い出に残っているのは、ある年の練馬区コンクールに出品した作品で「かちかち山後日記」と言う、狸の子どもがウサギに敵討ちをすると言う物語です。
りかちゃんはウサギ役、白タイツに白塗りと言ういでたちで、学校の体育館でも上演した時は白ずくめの姿を友達に見られるのをとても恥ずかしそうにしていました。
しかし、さすがに舞台の上では堂々とウサギを演じていました。

だれしも「多感な時期」と言うものがありますが、りかちゃんにも、そう言う時期がありました。
やはりご両親の事ではかなり悩んでもいましたし、デザイン関係の仕事を目指すことにも反対をされて悩んだりと、自分の思いだけではどうにも動かない現実に苦しみ、少し反抗的になった時がありました。
結局、アルバイト先から紹介をされてグンゼに入社したのですが、そこでも人間関係でかなり悩まされたようです。そんな時に「自分自身で生き方を変えることができる、自分の決意次第で変えることができるんだ」と言ってくれた友人の言葉でりかちゃんは「新たな一歩を踏み出そう!もう一度頑張ろう!」と決意できたのだそうです。りかちゃんが18歳の時でした。

決意をした以上、まっしぐらに突き進むのがりかちゃんの凄いところだと思うのですが、一度あきらめたデザインの道を再度志し、働きながら専門学校に通い勉強を始めたのです。
専門学校でショーイングディスプレイのコース課程を修了しディスプレイをする会社へ、りかちゃんの望む第一歩を踏み出したのです。 更に、その職場で運命の出会いが!
ご主人、仁(ひとし)さんとの出会いでした。
学生時代の仁さんは熱血アメフト選手。実直で誠実な人柄にひかれてりかちゃんは結婚を決意。
またも大きな一歩を踏み出したのは、昭和61年、22歳の時でした。

昭和62年、長女を出産、平成元年には長男と2人の子どもに恵まれ幸せ一杯のりかちゃんでした。
しかし長男誕生から2週間後、想像もしなかった出来事がりかちゃんを襲いました。
長男が原因不明で40度の高熱を出したのです。後で分かったことですが敗血症と髄膜炎を併発していたのです。りかちゃんは「先生から、生後2週間の乳児がこんな高熱を出すのは尋常ではない。覚悟をして下さいと言われた時は、本当に心臓が止まるほどのショックだった」と言っていましたが、その時つくづく小児医療の充実の大切さを実感したそうです。(長男は適正な治療によって間もなく元気になりました!)

更に数年が経った頃、りかちゃんが福祉や教育、地域、社会といった事を深く考えさせられる出来事が起こりました。
お爺様がアルツハイマーになってしまったのです。りかちゃん一家は近くに住んでいたのですが、当時は徘徊を探索するようなシステムもなく、時には電車に乗って本川越まで行ってしまい保護されたお爺様を迎えに行ったりと大変な状況でした。介護疲れから叔母様やお婆様も次々と倒れてしまいました。

りかちゃんがPTA会長を受けて1年目、長女の不登校と言うことが持ち上がりました。
「学校での人間関係だけでなく、祖父のアルツハイマーの問題や私がPTA活動で忙しかったりと、娘にとっても様々な負担が掛かっていたのだと思う」と、次々と起こる困難な状況の中周囲の方々に励まされながらりかちゃんは頑張りました。この時改めて周囲の方たちとの関わりの中で家族が幸せに暮らしているんだと言うことを実感したのだそうです。

りかちゃん自身の体験を通して教育の現場や地域、社会というものを見た時に身近なところに様々な問題が山積していることを実感したそうです。
いじめ、不登校、障害者、独居老人、介護、不景気によるリストラ等々。
もちろん全ての問題がりかちゃん一人でどうにかなる、と言う事ではありませんが、少しでも意識を持って行動していくことが地域や周囲の方々へのご恩返しになると心に決めてPTA活動や地域活動に参加してきたのだそうです。そこがりかちゃんらしいところだとしみじみ実感します。

りかちゃんのバイタリティ溢れる行動力とそれを支えるご主人やご家族の一致団結で、羨ましいくらいの本当に仲の良い幸せな家庭を築いています。
「有言実行」という言葉がまさに当てはまるりかちゃんです。
その前向きな意識と行動力で今日も元気一杯!頑張っています。